ゲームと小説と遊びの子狐屋じゃくまるブログ

連載小説とかゲームとか調べたことなどを色々と載せていきます。役に立ったり面白いと思ったらいつでもウェルカム

MENU

神様になったTS妖狐はのんびり生活したい~もふもふ妖狐になった新人神様は美少女となって便利な生活のため異世界と日本を往復する~ 第21話 お風呂とフェアリーノーム

 夜のお風呂はのんびり入るもの。

 そう決めたのは誰なんだろう。

 もしかしたら誰も決めていないのかもしれない。

 でもこれだけは言える。

 月を見ながら、星空を見ながらの露天風呂は最高であると。

 

「あ~、ミレ~。そこそこ~」

 ボク、現在進行形で堕落中。

 ミレたちに体を洗われ、少しお湯につかった後、なぜか全裸でマッサージを受けている。

 

 くすぐったいけど、肩口から始まり、背中、お腹のあたり、腰、お尻、足の付け根、太もも、ふくらはぎときて足裏まで全身くまなくムニムニとマッサージされ続けている。

 くはぁ、気持ちいい。

 

 横を見てみると、フェアリーノームもフェアリーノーム同士でマッサージをしているようでキャッキャしていて実に楽しそうにしていた。

 

 でもね、気が付いたんだ。

 この三階の露天風呂では基本的に全裸での行動しかしていない気がするんだよね。

 昨日もやっていたストレッチにしても、今のマッサージにしても、タオルを巻くとか湯あみ着を着るとかそういうことを一切していない。

 

 まぁ、ボクにしてもちょっと胸元が出っ張ってる程度なので、みんな大差ないツルペタなので気にするだけ無駄なのかもしれないけど。

 でもだからと言って全裸で行動するのはいささか問題があるような気もしている。

 特に椅子に座ってテーブルの上にちょっとした食べ物や飲み物を置いて楽しんでいる子たち。

 せめてそこにいるなら湯あみ着くらい着てはどうだろうか。

 

 ちなみにこの露天風呂は地下階で汚物処理、浄水処理、加熱処理がされており、それが循環してお湯がここにやってくるようになっている。

 たぶんボイラーとかポンプみたいなのがあると思うんだけど、詳しくはない。

 このあたりのことはいずれ探ってみたいと思うけど、地下階って謎が多すぎるんだよね。

 ミレたちに案内を頼もう。

 

 ふと見ると、ポラロイドカメラを持ったフェアリーノームが複数人のフェアリーノームを撮影している姿が目に入った。

 何やらポーズを取ったりしているので、楽しんでやっているんだろうけど、なんとなく倫理的によろしくない気がする。

 

「ミレ、お風呂で撮影っていいの? ボクはよくないと思うんだけど……」

 ボクのそばにいたミレにそう声をかけると、何やら手書きのメモで教えてくれた。

 

 曰く、お風呂での写真はみんなの信頼の証なんだとか。

 嫌がる子には無理強いしないという暗黙のルールもあり、違反したらしばらく一人お風呂の刑に処されるんだとか。

 

 もしかして、フェアリーノームってワイワイ集まるのが大好きなんだろうか?

 ボクの倫理観的には危ない気もするけど、テンションが上がりすぎて逸脱しない程度に抑えてくれるならいいかな……。

 

 そんなことをボクが考えていると、ミレが撮る? と聞いてきた。

 今は撮らなくていいかな~。

 うん。

 

「今は大丈夫。どうせ着替えたら撮るつもりなんでしょ?」

 そう聞くと、ミレは笑顔でうなずいた。

 次はどんな服を着ることになるのかな。

 着替えの選択権がボクにないことはわかっているので、この際だからいろいろ試してみようと思う。

 そういえば、フリル付きブラウスとコルセットスカートの組み合わせをミレが買っていたっけ。

 

 みんなでお風呂に入った後は、ボクたちの部屋で雑魚寝タイムが始まる。

 本当の意味での雑魚寝であり、そこに可愛さがあるかは不明なのが困りどころかな。

 なぜなら、みんな集まって寝るのが好きなようで、密集していたり積み重なっていたりするのだ。

 寝苦しくないんだろうか。

 

 今日も今日とてみんなはゲームに興じていたり本を読みながら思い思いに過ごしていた。

 でもボクとミレは寝間着に着替える前にやることがある。

 

 二階に降りてミーシャさんの部屋へ行く。

 本日お付きのフェアリーノームに取次ぎを頼むと、ミーシャさんが出てきた。

 無事にお風呂には入れたようで、まだ少しだけ髪が濡れているように見えた。

 ちなみに、湯上りだと青っぽい肌の色は少し赤みが差すようだ。

 

「あ、色々とありがとうございます。お父さんもだいぶ良くなったようですし、私も良くしてもらいました。何より、フェアリーノーム様にお世話していただけるとは思いもしなかったですし……」

 ミーシャさんは申し訳なさそうにそう言う。

 

「き、気にしないでください。大丈夫、です」

 ミーシャさんは謙虚なのか、恐縮しすぎだと思う。

 まぁ、ボクも緊張しすぎだと思うけど。

 

「不満は、ないですか? 多少の要望なら、聞けます」

「あ、ありがとうございます。今は特にないです。お父さんの具合がよくなったら、お礼をしたいので、村まで来ていただければとは思いますけど」

 ボクはミレと顔を見合わせた。

 ミレがこくんと頷いたのでボクも了承することにした。

 あまり他所には行きたくないんだけどね……。

 少し引きこもり気味なのだろうか?

 

「大丈夫、です。少し、人数が多めになると、思いますけど」

 少し多めにフェアリーノームを連れて行こうと思う。

 

「では、ゆっくり、お休みください。夜は、フェアリーノームも寝るので、困ったことがあったら、壁のボタンを押してください」

 ちなみに壁のボタンを押すとナースコールのようにボタンが点灯し音が鳴る仕組みだ。

 

 ミーシャさんの部屋を離れ、ボクたちは部屋へと戻る。

 今日の寝間着は狐耳パジャマだった。

 ミレさん、これ、どこから持ってきたの?